XS650Splプロジェクト(02年12月版)
今回の特集:エンジンをばらして観察しよう

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有名な話ですが、XS650エンジンはトヨタ2000GTのエンジン設計(エンジンはヤマハ製でDOHC6気筒)を元にヤマハ初の4ストローク二輪車用エンジンとして開発されたものである。

気筒数が異なり、1ミリほど2000GTよりショートストロークである点、OHCエンジンである点を除いてはバルブの挟み角など基本的な設計はかなり似通ってる。

さて、今回はそのエンジンと面と向き合ってみようと思う。

なぜだかわからないが、気になりだしたら、その事で常に頭の事がいっぱいになってしまうのが私なのである。部屋にエンジンがあればなおさら気になってしまう・・・湧き続ける様々な問題を解決する為には、やはりエンジンを開けて実際に確認しない限り、XSプロジェクトは愚か、自分の精神さえも持ちそうになかったのである。

というよりは、単純に中身が気になったんですよ。この中身のチェックは、今後のXS650製作に掛かる予算を見積もる上では欠かすことの出来ない作業になると言っても過言ではないのです。

そんなわけでまずは腰上切開をすることに決定。今回はあまりの寒さでガレージにエンジンを持っていく勇気も、足を運ぶ気力も無かったので、部屋の中で開けることに決定した。このエンジン、とにかく重いんです。

きっと現行の大型バイクのマルチエンジンと同レベルの重さじゃないか?とさえ思えるほどです。XS650のエンジン重量は推定約80Kgはあるでしょう。それを考えると、移動するのはとても重労働なのは簡単に予測できます。

前置きはさておき、ばらし作業に取り掛かりましょう。

この先、いつエンジンが完成するのか全く不明なので、コンプリートな状態のうちに記念撮影。

そりゃもうやる気に満ちてたよ、この時は!!(やる気度100%)

ヘッドカバーを外してカムやバルブスプリングを眺める。前オーナー全くメンテしてなかったのか、かなり汚い。なんと大雑把な作りだろう。近代のエンジンはほんとよく出来てるよ。それに比べたら・・・悲しいよ、でもたった四つだもんな(バルブ)
しかもカムは傷だらけ・・・ (やる気度70%)

左図の段階に入る前にカムチェーンをカット。カムギアーが取れないエンジンとは、あまりにも整備が悪すぎる。
650エンジンよりも約10年ほど後に作られたXS400エンジンが、いかに時代の進化を経て整備製が向上されてるかというのがよくわかる場面だ。とりあえずカムチェーンカットに手間を費やすのは面倒なので、自転車用のチェーン切りで間に合わせカットする。切ってしまえば、あとはこっちのモノ。

650エンジンはSRとカムチェーンの長さが同じだからなんとでもなるのである。しかも、次回カムチェーンを新品交換する際は、カシメではなく、ジョイントを用いれば、今後の整備に有効になる。

右図ではシリンダーの取り外し作業。全てのネジが確実に外れているかを確認し、部屋内でガンガン叩いて外すのもなんなので、プライヤーで気合イッパツ「エイヤッ!」でガスッと外れる。(あまりお奨めはしません。)

ピストンとこんにちは。ピストン&シリンダー壁は寂しい縦傷でいっぱい

気を改めつつ、このエンジンの腰上を眺めると・・・スタッドボルトなげぇーー・・・と感心することしきり。

ここから先の作業は、シリンダーを見てやる気が無くなり終了。(スタッドボルトに見とれつつ、生気をガンガン吸い取られて やる気度0%)

今後どうして行こうか、部品の欠品具合を眺めつつ、壮大な構想を思い浮かべつつ、寂しく片付けた・・・
(ゲームオーバー)

カムもピストンも状態的に終了してるってことが認識できたので、ちょっとノーマルカムに細工でもしてみようかな?ピストンは鍛造入れようかな?

75mm近辺のボアでピストンピン径20mm仕様って見つからないもんです。カワサキのZシリーズのピストンなら75mm前後のピストンも豊富にあるけども、ピン径が18&19mmで流用撃沈。(まだまだ流用出来そうなピストン候補は結構あるので、今後も探していきます。)

いいですよーだ、なんとかするもんね!!

 

今回の作業における感想:世の中には、見なかった方が、結果として良かったのだ・・・という事実も多々ある。

 

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