純正キャブレター探求(03年03月版)
今回の特集:BS34キャブレターをぶった斬る

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現在CRキャブレターを愛用する自分にとってBSキャブレターなんて見向きもしたくないのだが(燃えたり、高額な出費を強いられたので)、これまでに散々やられっぱなしだったBSキャブに一矢報いる為にも、ひたすら零円自作主義的流用は緩めること無く続くのだ。

ところで何か部品を流用する際は、同じメーカーから流用するのが定番ではないでしょうか?大概何かを探し出すときにはヤマハの他車種で情報を探ったりする方も多いと思います。逆に他のメーカーにはあまり興味も無いので、よーく見る機会ってのもあまり無いもんです。

実はそこが大きな落とし穴。まだまだ探求が足りない。ありとあらゆる手段を駆使し、他メーカーにも気を配れば、きっと何かが見つかるに違いない!!パッと見てアッと思ったら、まずは計測、そこから世界は広がるでしょう。


今回のキャブレター考察に関しては、まだ検証段階で、実走行テストはされていない事をまず念頭に入れて読んでいただきたい。ちなみにBS34キャブレターの情報は主にXS650Spl、XS400Spl、GX400系列に適用されます。

キャブレターはボディーそのものが消耗品だと考えて良く、バキュームピストンが上下するシリンダー部分が主な磨耗箇所になる。50cc用のキャブでかなり偏磨耗が進んだ物を見たことがあるのだが、こうなるとセッティングなんて出るわけがない。いろいろと試した挙句に偏磨耗を発見し、それが原因だという結果になって終了。

ニードルジェットやジェットニードルも常に擦れる部分なので、使い続けるうちにどんどん磨耗してセッティングは濃くなる方向になりがちです。

負圧キャブレターの場合、ダイヤフラムのコンディションも重要なところ。圧力の差を生かす為には破れがあっちゃあまずい・・・

ほんの些細な純正キャブ部品でも頼んでみると結構びっくりする値段なんです。あまりにものめりこむと結局CRキャブが買えたなぁなんてことにも・・・それはさておき

 

ヤマハとスズキの純正キャブはほぼミクニ(カワサキも一部ミクニ)なので、以前から流用の可能性が探れると考えていたが、今回、たまたまボルティーのキャブをばらした時は思わず歓喜の声が上がった。

ヤマハの部品は概して古い部品になると高すぎるという先入観が強い(他メーカーでも値上がりはしますが・・・)ので仕方ないが、車体の出来はともかく、部品単体でみればスズキ万歳。

ヤマハのバイクにスズキ純正部品を取り付けて乗り回す、今これがアツイ!

というわけで今回は手元にあったボルティー&グラトラキャブの考察をしてみる。

キャブレター側面を両サイドから眺める

ボディー外観は似てるようで若干違う。BSキャブをベースに改良されてきたのだろうか、フロートチャンバーなどの形状がそっくり、しかも合い面はそのままというわけでフロートチャンバーガスケットは全く同じ。

トップカバーにクロームメッキが施されていたり、アルミ鋳物製だったりした面影はここには残っていない。

 

 

←上部から見たところ

BS34からの進化の度合いが垣間見れる瞬間

 

BS34と並べて撮影するの忘れました。(右画像)
なので単品での公開です。

ジェット類は番手こそ違うものの全て同系列の物が使われているのがわかる。

ガスケット(黒い部分)もBS34用と重ねてみたりしましたが、同一のものでした。

スズキ純正で取り寄せると、どのくらいの値段なのかが気になるところ。

右画像はフロートの比較

左がBS34用、右がボルティー用

同じ部品なので入れ替えても比較にならないのがポイント。

左画像について

左側(銀色)のダイヤフラムがXS650Spl用

右側(黒色)がボルティ用

若干左側のダイヤフラムの高さが高いのが伝わるでしょうか?両者共に径は一緒でした。(ノギスで計測)

右画像について

上述のとおり、右側がボルティ用

ジェットニードルの太さに注目、XS650用のニードルの方が圧倒的に細い(濃い目)です。

ニードルジェット(筒=ニードルの受け側)は外観は両者同じでしたが、開いてる穴の径が断然650用の方が大きいものでした。ってことは拡大させれば使える??

 

今回のまとめとしては、たまたま手元にあったグラトラ&ボルティー用のキャブに限らず、違う形式のキャブでも、ミクニの製品であったならば、まずは比較し探求することでより零円自作主義を強力な物に出来るはずだ。

ニードルジェットが欠品になってしまったとしても、径の小さなボルティー用を用意して、それぞれの車種用の穴径に拡大してやれば、きっとなんとかなるはずです。

なお今回の情報は比較のみで、実走行テストはしてないので注意してください。
高い値段でも新品部品が手に入れば良いという方にはお奨めできない、零円自作主義的コンテンツ。

さぁ次回キャブ考察はスズキカタナ用BSキャブ考察だ!!

今日からスズキ部品ファンになります!!でもやっぱりバイクはヤマハ。

(くれぐれも作業は慎重に行ってください。ここに書かれている事が全て正しいことではありません。
また作業は個々の責任でお願いします。)

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